粉骨は葬送の儀式

粉骨とは、散骨するためにお遺骨を粉状にすることですが、

世の中、機械を使ってさっさとやってしまうのがトレンドでして、

スマートで美しいことなんです。

それに対して手作業の粉骨は原始的と言いますか、

そんなに苦労しなくてもいいじゃないかと言われそうな状況なのです。

今の時代、葬送が本来の目的を無くして暴走していますので敢えて言いますが、

死者に声をかけて話をすることが葬送の大きな目的の一つなのです。

私なんかもそうですが、誰だって死んだら忘れ去られますよね。

死んだ後になって自分の話をしてくれる人が果たしているでしょうか。

それがまた中々いないんですよ、

お金を出して頼んでもそんなことしてくれないものです。

それがですよ、自分の事を話しながら賑やかに葬送の儀式を行ってくれている…

これほど有難いことは他にないんです。

こういったことは私が僧侶だから分かることで、

神仏や死者のことしか考えていないから言えることなんです。

じゃあ、生きている人のことは考えていないのかって?

神仏や死者が喜んでくれたら、生きている人を幸せにしてくれるのです。